日本神話から学ぶ人生学
今回は「人生の壁(試練)を乗り越えるヒント」についてお話したいと思います。
この「人生の壁」というのはもちろん人それぞれです。
それが人間関係なのか、お金関係の事なのか、恋愛や夫婦関係なのかは人によってみんな違いますよね。
なのでここでお伝えするのは表面的な具体的な解決法ではなく、もっと本質的な深い部分の「型」について説明していきます。
(´_ゝ`)型?
人生で表面的な問題はさまざまなパターンがありますが、実はもっと深く掘り下げていくと人生の壁(試練)には共通した型が存在します。
その型を理解することで、
「今自分はどの段階でもがいているのか?」
「どうすれば問題解決の方向に向かう事ができるのか?」
という部分が見えてきます。
(もちろん型と言っても人生の壁のパターンは無数にあるので、すべてを把握できるワケではなく、あくまで一つの型という意味です。)
その型とは実は神話の中にヒントが隠されています。
「神話」と一言で言っても、海外の神話と日本の神話がありますよね。
僕もそうですが、このブログを読んでいる人ほとんどが日本人だと思います。
(そう思って書いてます。笑)
そして日本人にはもともと日本の神話が、潜在意識よりもっと深い部分の無意識領域にインストールされています。
→潜在意識と顕在意識の違いとは?引き寄せにもある意識の仕組みのお話
もう少し簡単にいえば、日本人にとって「馴染みやすい」「相性がいい」というイメージですね。
なのでこれからお話する日本の神話をまだ知らない人は、それを知るだけで今後の人生で何かしらの壁にぶつかった時に、
「あ~今私はこの段階にいるな~」
と少し俯瞰した視点から見えるようになるし、「知る事」によって今後そういった壁(試練)に対しての対処法も変わってくると思います。
では前置きはこの辺にして、さっそくその日本神話についてお話します。
その日本神話の名前は、「海幸彦山幸彦」といいます。
まず、この神話がどういうお話なのか全体のストーリーをざーっと書いて、おそらく一回では書き切れないと思うので今回は前編、次回は後編、また別の記事での解説編という流れでいきたいと思います。
ストーリー的に多少僕のアドリブも入っていますが、笑 まあここは細かい部分は気にせず「大まかなイメージ」が伝わればオッケーです。
ではさっそくいきましょう。
日本神話「海幸彦山幸彦」
あるところに、「海幸彦」と「山幸彦」という兄弟がいました。
兄の海幸彦は文字の通り、海に行って釣りをして魚や貝などの海の幸を採って暮らしていました。
もう一人の弟、山幸彦も文字の通り、山に行って狩りをしたり、山菜などの山の幸を採って暮らしていました。
二人の兄弟は平穏な日々を過ごしていましたが、ある日、弟の山幸彦がこう言い出しました。
山幸彦 「あ~毎日毎日、山で狩りするのもなんか飽きたな~。
オレもアニキみたいに海に行って魚をいっぱい釣ってみたいな~。」
最初は何気なく思っていた程度でしたが、日に日にその気持ちは強くなっていきます。
そしてある日のこと、ある事を一大決心した山幸彦は兄の海幸彦にこう言います。
山幸彦 「アニキ!頼む!一日でいいからアニキが毎日大量の魚を釣ってくるその「釣り針」をオレに貸してくれ!
その代わりにオレの大事な弓矢を兄貴に貸すから!頼む!」
いくら弟の頼みとはいえ、大事な釣り針をそう簡単に貸せるわけもなく最初のうちは何度か断った海幸彦でしたが、あまりにしつこい山幸彦の頼みに根負けした海幸彦は大事な釣り針を貸すことにしました。
海幸彦 「いいか!これは大事な釣り針なんだ!貸すのは一日だけだぞ?いいな?」
山幸彦 「ありがとうアニキ!わかってるよ!じゃあさっそくオレ海に行ってくるよ!」
念願の海幸彦の「釣り針」を手に入れた山幸彦は、テンションアゲアゲでさっそく海に釣りに行きました。
山幸彦 「よっしゃ~!これでアニキみたいに魚をジャンジャン釣ったるぞ~!うひょー!」
山幸彦 「、、、」
不思議なことにいつも海幸彦がやるとあんなに魚が釣れるのに、山幸彦がいくら釣り針を垂らしても魚はまったく釣れません。
と、その時!
山幸彦 「、、、お!マジで!?釣れてる!?よっしゃ~~~っ!!」
、、ブチッ!!
やっと魚が釣れたと思った山幸彦でしたが興奮して釣り竿を引き上げた瞬間、なんと釣り糸が切れてしまいました。
山幸彦 「うぎゃーーーっ!しまった~!やばい!アニキの大事な釣り針がーーっっ!」
今すぐにでも海に飛び込んで釣り針を取り返したい山幸彦でしたが、なんせ山幸彦は泳ぐ事ができません。
その場でひたすらオロオロするしかない山幸彦でしたが、結局どうすることもできないので帰って兄の海幸彦のところに行き謝ることにしました。
海幸彦の大事な「釣り針」をなくす
海幸彦 「釣り針を無くしただと!?ふざけるな!
あれはオレの大事な釣り針なんだぞ!今すぐ海に行って探してこい!!」
海幸彦は烈火の如く怒り、とうてい山幸彦を許してくれそうにありません。
いったん自分の小屋に戻り山幸彦は考えました。
山幸彦 「困ったな~。探してこいって言われてもオレ泳げないしな~。
どうしよう、、」
しばらく悩んでいた山幸彦はある事を思いつきました。
山幸彦 「そうか!無くしたアニキの釣り針と同じものを作ってさらにたくさん持って行けば、もしかしたら許してくれるかもしれない!」
そう考えた山幸彦は自分の小屋にある鉄をかき集めて溶かし、無くした兄の釣り針を思い出しながら、似たような釣り針を500個作り兄の海幸彦のところに持って行きました。
山幸彦 「似たような釣り針だし、これだけ作って持って行けばアニキもきっと許してくれるはず!」
と、そこそこな自信を持ちながら作った500個の釣り針を海幸彦のところに持っていくと、、
海幸彦 「ふざけるな!こんなものオレの釣り針とぜんぜん違うじゃないか!
早く本物の釣り針を探してこい!!」
そこそこ自信があった山幸彦でしたが、また海幸彦に烈火の如く怒られてしまいます。
山幸彦 「ちくしょー!もうこうなったらヤケクソだ!
アニキが許してくれるまでもっと釣り針を作ってやるー!」
今度、山幸彦は自分の持っている鉄すべて(弓矢の矢じりなど)を溶かして、なんと1,000個もの釣り針を作り上げました。
山幸彦 「ハアハア、、よしオレのやれる事はすべてやった。
これならあのアニキも許してくれるだろ。」
自分の持てるすべての力を出し切った山幸彦は、自信満々で海幸彦の元へ向かいます。
海幸彦 「今度は釣り針1,000個だと!?ばかやろう!
そんなものいくら作っても無駄だ!
本物のオレの釣り針を探して持ってこい!
持ってくるまで絶対許さないからな!!」
山幸彦 「、、、」
なにをやってもうまくいかない山幸彦
自分の持てるものすべてを出し切っても結局、海幸彦は許してくれませんでした。
本物の釣り針を探したくても、山幸彦はもうどうすることもできません。
途方に暮れてトボトボと歩いていた山幸彦は、気づくと釣り針を無くした海の砂浜に一人立ちすくんでいました。
山幸彦 「もうダメだ、、オレにはもうどうすることもできない、、
オレは一体どうすればいいんだ、、」
夕暮れ時の砂浜に一人、人生に絶望した山幸彦は座り込んでいました。
「ザザ~ン、、」
聞こえてくるのは波の音だけ。
「ザザ~~ン、、、」
山幸彦 「、、、」
「ザザ~ン、、」
その時、波の音しか聞こえないはずの砂浜に一人の老人が立っていました。
つづく。。
神話「海幸彦山幸彦 後編」はこちらです。